簡野育英会のあゆみ
道明・信衛先生胸像と銘
 現在の間雲荘には、学祖 道明先生、創立者信衛先生の胸像が据えられています。
 学祖 道明先生の胸像は、その偉業を称えるために、簡野家の遠縁にあたる彫刻家 柴田佳石先生(本名 簡野福四郎)によって制作されました。佳石先生は、日展に委嘱出品を続け、後に慶應義塾大学三田キャンパスの『福澤諭吉胸像』の作者としても知られています。
また、かねてから親交のあった歴史家 徳富蘇峰先生が、道明先生の胸像の銘を作られました。
 昭和41(1966)年の創立25周年に際し、創立者 信衛先生の胸像が、同じく柴田佳石先生の手により完成され、同年11月5日、間雲荘で生徒代表も参加して、除幕式が行われました。これにより学園の聖地 間雲荘に学祖・創立者先生をお迎えすることができ、ご夫婦が揃って本学園の教育活動を見守り続けておられます。
写真左/書・徳富蘇峰  中/簡野信衛先生  右/簡野道明先生
簡野道明先生胸像銘
園遊会
 間雲荘には現在でも枇杷の木が残っており、毎年6月には実がたわわに実ります。また当時は大小色とりどりの菖蒲が咲く見事な心字池がありました。毎年6月14日前後には、多くの客を招き「園遊会(別名・枇杷会)」が開かれていました。会は数日間にわたり開催され、延べ500人が出入りする大々的な催事でした。雑誌『国民之友』発行に携わった歴史家 徳富蘇峰先生(作家徳富蘆花の兄)を始め著名人から近隣の方まで、多くの来客が押し寄せ楽しんだといわれています。この会の開催は、道明先生の「社会への還元」のご意向が大きく反映されています。日頃は『字源』をはじめとする多くの著述に専念するために、門を閉じ客を謝していたので、この園遊会が間雲荘に人が集まる年にただ一度の機会でもありました。先生はこれを何よりの楽しみとされ、心の限りのおもてなしをされたと言われています。  この枇杷の実が熟し、菖蒲の花が咲く時期の園遊会を記念して、毎年6月14日が本学園の創立記念日となっています。
道明先生直筆の書
原文・書き下し文