建学の精神・教育方針
 本学園は、学祖簡野道明先生の遺志により設立された由緒ある学校です。簡野道明先生は、東京府師範学校(現 東京学芸大学)教諭、東京女子高等師範学校(現 お茶の水女子大学)教授を歴任された教育者であり、また漢文学者として、数多くの検定漢文教科書や注釈書、漢和字典『字源』等の辞典を執筆された近代漢文教育のパイオニアでもありました。
 先生はかねてから「子どもの教育にもっとも大切なのは母親であり、その母親となる女性の教育こそ教育の根本である」との教育観を持ち、合わせて自己の著作による財産をいつか広く社会に還元しようと考えておられました。
 その遺志を達成するため、夫人の簡野信衛先生によって昭和16(1941)年に財団法人簡野育英会が発足、同年4月、学祖 道明先生の「人間生活を律する根本の筋金は道徳なり」とのお考えに基づき、「道徳」「しつけ教育」に重点を置いた自立する女性の育成を目指し、蒲田高等女学校が設立されました。
 その後、第二次世界大戦に伴う一大混乱期の中で、生徒の学徒動員、創立者の殉職、戦中・戦後の二度の校舎焼失と、幾多の苦難を迎えましたが、二代理事長 簡野よし先生が亡き父母先生の遺志を受け継ぎ、不屈の精神と強い決断力で学校を復興・発展なさいました。その間、昭和23(1948)年の学制改革により、蒲田女子中学校・高等学校と改称。同年7月には念願だった校舎が再建されました。また、昭和26(1951)年3月には法改正により、学校法人簡野育英会と改称。その後、昭和30(1955)年には地域の高い要請を受け、付属幼稚園を開園。また昭和48(1973)年には堅実な保育者の育成を目指す蒲田保育専門学校が開校されました。更には平成26(2014)年に、女性の社会進出と待機児童解消のため大田区認定小規模保育所である蒲田保育専門学校附属保育室を開室。平成28年(2016)には、大田区立保育園の民営化に伴い蒲田保育専門学校ふぞく北糀谷保育園を開園。平成29(2017)年には京急・羽田空港線「糀谷駅」前再開発事業に伴い、駅隣接の「ステーションツインタワー糀谷」内に新たに蒲田保育専門学校糀谷駅前保育園を開園。
 建学の精神である『幼児教育・保育と女子教育』のより総合的な実現のため、学園環境を整備・発展させています。